事例内容

　お客様の当初のご依頼は、保険事業者が顧客に対してメールなどで情報を配信できるサービスを提供するにあたって、ビジネスの目的に沿ったシステムを作り上げるというものでした。しかし、詳細な内容を検討している間に、前提となる目的や条件などが大幅に変更されることになり、お客様がシステムに求める機能が次々と追加され、やがて限られた予算の範囲内では実現不可能なボリュームにまで膨れ上がってしまいました。

　そこで私たちはお客様に対して、システムに対するご要望を改めてご整理いただき、システム導入にあたっての方針やシステム化する範囲について再定義することをお願いしました。機能の選定においても、ビジネスの目的を問い直すことによって、必要とする機能の優先順位を洗い出していただきました。

　そうした過程を経て、私たちからも積極的に意見を出しながら、お客様とともにサービスの内容を練り上げ、「システムの仕様を決定する上で優先すべきは、情報の受け手である保険事業者の顧客の方々に必要とされるサービス作りである」との方針を定めました。ユーザーにとって有益な情報を有益なタイミングで届ける観点から、広告配信や市場分析といった送り手側のニーズは後回しにして、結婚や出産、お子様のご入学・ご卒業など、顧客のライフイベントに合わせた保険情報を発信できるように、システムに盛り込む機能を決定していきました。

　今回の案件では、お客様が、ただ注文に従うだけの業者ではなく、システム全般について一緒に取り組んでいけるパートナーをお探しでした。私たちはそうしたお気持ちに応え、お客様のビジネスを理解して、同じ目的を目指す一員としてサービス全体のプラン作りに関わらせていただきました。具体的なシステム設計やWeb上の画面デザインなどの段階においても、お客様と二人三脚で、サービスの機能向上やイメージ作りに気を配った仕事を心掛けました。

　私たちの最大の強みは、システムを用いて実現するサービスの目的設定の時点からお客様に協力し、実際のシステム開発や実装、運用までを一括してワンストップでご提供できることです。ITが生み出そうとする価値を追求し、お客様にとって本当に役立つシステムをお届けする専門家集団として、それぞれのスタッフが高い意識を持ったビジネスパートナーとなって案件と向き合ってまいります。

担当より
ITが一般に普及した現代であっても、社内業務やサービスの完全なシステム化に成功できている企業はそれほど多くありません。そうした企業ではシステムをビジネスの手段として考えるあまり、導入する目的や背景、方針を曖昧にしたまま、運用している場合がしばしば見られます。私たちは、ビジネス上で目指す方向性をお客様と明確に共有しながら、その可能性を最大限に発揮できるシステム作りのご協力をさせていただいています。

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