オラクル製品をフル活用した

次世代型の超高速金融取引システム

  • Oracleソリューション
  • 金融

事例について

概要

各種オラクル製品で構築したIT投資のための超高速金融取引システム。少しの処理の遅れが顧客に大きな機会損失を与えかねず、結果として顧客の信頼を失ってしまうため、証券取引所のシステムに匹敵する信頼性の高さに加えて、処理スピードの高速性を追求した。さらに顧客数の拡大に伴う処理数の増加に応じて、処理性能を柔軟に増強できるシステムとして整備した。

作業内容

要件定義⇒設計⇒開発/構築⇒導入⇒運用・保守

お客様情報

業種 :
金融関連企業
ご紹介:
オンラインによるFX(Foreign eXchange:外国為替証拠金取引)を専門に取り扱う企業で、徹底した顧客目線によるサービス提供で着実に顧客数を増やしている。

事例内容

 お客様は独自に構築したシステムによるオンラインのFX取引サービスを展開していらっしゃいましたが、近年のFX人気によって、ユーザーが当初の想定を超えて増加し、取り扱う処理数が膨れ上がったことによって、システム全体のパフォーマンスが低下し、ついにはシステムの停止すら起こるようになってしまいました。当初はお客様も独力でシステムの性能向上に努めておられたものの、次第に性能の上げ幅が頭打ちとなり、弊社に新システムの設計、構築を依頼されました。

 新システムに対するお客様のご要望は、証券取引所のシステム並みの高信頼性に加え、今後の更なるユーザー数増加とIT投資に対して、リニアかつ連続的に処理性能を向上することができる構成にすることでした。私たちは、まず現行システムのパフォーマンスのボトルネックとなっている箇所の調査から始めました。すると、数多くの処理が同時にデータベースへ集中していたことから、データベースが処理能力を超えてしまい、システム全体の速度が下がっていたことが分かりました。

 私たちはこうした課題の克服にうってつけの製品として、データベースから情報を出し入れすることなく、コンピュータのメモリ上に直接情報の置き場所を作るインメモリ・キャッシュサーバ製品である「Oracle® Coherence」の導入をお客様にご提案しました。「Oracle Coherence」を活用すれば、サーバの数を2倍にすることで、性能をそのまま2倍に拡張でき、お客様のご要望にも過不足なく対応できるからでした。

 システムはその「Oracle Coherence」を軸に、アプリケーション・サーバに「Oracle WebLogic Server」や「Oracle JRockit」、データベース・サーバに「Oracle Real Application Clusters (RAC)」を導入して、全体をオラクル製品で統一しました。同じ企業の製品に統一することで、システム全体の親和性を高められるのはもとより、私たちはアプリケーション開発から製品を用いたシステムの設計・実装まで、オラクル製品に関する高い技術力とノウハウを持つため、システムをワンストップでご提供することができました。

 「Oracle RAC」を採用したことで、お客様の「サービスを停止せずにデータベースのメンテナンスを行いたい」というご要望も解決しました。さらに、データベースによる処理を分散することで、全体の負荷を軽減することに成功しました。

 こうしたシステム設計の工夫によって、完成した新システムの処理速度は従来の約0.5件/秒から最大で約500件/秒へと、およそ1000倍の高速化を実現することができました。稼働開始後はシステムも安定稼働しており、お客様にも好評をいただいています。

担当より
従来に比べて格段の性能向上を果たした新システムは、連携する他システムが処理速度に付いていけず、反対に「もうちょっと遅くならないか」とのご相談をいただいたほどです。当時、まだ日本では導入事例がない中で、Databaseだけでなく、WebLogic Server、CoherenceなどのOracle Fusion Middlewareを含め、Oracle製品の包括的な社内での製品検証、実装モデルをもとにした開発ノウハウで、顧客の様々なニーズに対して柔軟に対応することができました。

事例情報

お客様の課題

  • ユーザー数と処理数の急拡大によるシステムパフォーマンスの低下を防ぎたい。
  • ユーザーからのニーズに柔軟に対応して、新機能や新サービスをすぐに投入できるようにしたい。
  • サービスを停止することなく、データベースをメンテナンスしたい。

導入効果

  • 膨大なユーザー数と処理数に対しても、システムパフォーマンスを低下することなくサービスが提供できるようになった。
  • アプリケーションのロジック層と、データベースへのアクセス層を分離することで、新機能・サービス開発時の影響範囲を局所化することができ、早期に顧客ニーズへの対応が可能となった。
  • データベースのメンテナンス時はもちろん、障害の発生時でもサービスの停止が発生しない堅牢なシステムになった。

Case Studies